平安と安寧について

・平安とは「心の安らかさと外界の安らぎが調和をしている状態」である。

・安寧とは「社会・環境・人間関係等を含めた安定的であり安心、安全な常態」である。

つまり、平安は「個の心のあり方」であり
安寧は「全体との関係性の安らぎ」である。

この二つが重なり合うところに、
道(TAO)の実践的な人生像が生まれる。

  1. 状態と常態の視点
    ・状態=瞬間ごとの心身や環境のありよう(今ここ)

・常態=持続的に整っている基盤のありよう(続く時間)

平安は「状態」として心に訪れるもの
安寧は「常態」として人生や社会に築かれるもの
→ 両者を行き来し、織り重ねるのが上手く生きる術である。

領域における平安・安寧のイメージ

  1. 時間

平安=焦らず一瞬一瞬を味わえる状態
安寧=日々がリズムとして整っている常態

  1. 健康
    平安=呼吸が深く、身体が軽い状態
    安寧=生活習慣が安定し、病に囚われない基盤の常態
  2. 知性

平安=学びや気づきで心が満たされる状態
安寧=知識と知恵が積み重なり、判断軸が揺らがない常態

  1. 富財

平安=今日を過ごせる分があるという安心の状態
安寧=長期的な豊かさが循環する仕組みがある常態

  1. ご縁
    平安=出会いや会話で心があたたまる状態
    安寧=信頼関係が積み重なり、孤立しない基盤がある常態

  2. 平安=自然や芸術に触れて心が和む状態
    安寧=美意識が生活の中に根付き、調和を生み続けている常態
  3. 快・喜
    平安=一瞬の喜びや楽しさを感じられる状態、また不快なものが周りにない状態。
    安寧=喜びのパターンが習慣化し、幸せが緩やかに維持し続ける常態、歓喜している常態。(弥栄、イヤサカ)
  4. TAOISM的まとめ

人生とは「平安(瞬間の心の調和)」と「安寧(持続的な全体調和)」を往還し、七つの領域でその姿を想像し、創造する営みである。
経済活動もまた、富財だけでなく、ご縁や知性、美、健康を循環させる「安寧の仕組みづくり」にほかならない。(営み、働き、イトナミ、ハタラキ)

  1. 言葉の結び

・平安は「瞬間の安らぎ」
・安寧は「持続の安らぎ」
・個の為の場であり、場のための個である故に個と場=言葉である。

“美しい意識”と“美しい言葉”が
平安と安寧を約束してくれるのです。